いきなり仕事をしたストライカーは
そんな両チームの試合、先制点が生まれたのは17分でした。桐生第一のクリアミスを奪って決めたのは尚志のストライカー、後藤拓也。若干の幸運もありましたが、仕事をすべき選手がきっちり仕事をした尚志が先制します。更に31分には左サイドからのクロスに後ろ向きに近い状態から思い切り体を捻ったスーパーなボレーシュートを、金田一樹が決めて尚志が突き放します。3回戦の桐光学園戦ではいいロングスローを投げるなと思っていた選手ですが、それだけではないところを見せてくれました。
2点を追いかける形になった桐生第一ですが、この日はパスが中々繋がらず攻撃の糸口をつかめません。3回戦ではその才能をいかんなく発揮したボランチの金田理央も、パスコースに迷う場面が多く、結局精度の低いロングボールを蹴ってしまうという状態。殆どその輝きは見られませんでした。そして桐生第一のストライカー鈴木武蔵ですが、序盤は彼の武器である走力、フィジカルを発揮する場面も見られました。しかしゴールには繋がらず。尚志のDFで187cmの長身、大貫峻士のマンマークに苦労する場面も多く、会場をわかせるプレーは時間と共に減っていきます。
桐生第一が陥った負のスパイラル
後半に入ると桐生第一は鈴木をサイドに置き、大貫のマークから遠ざけます。しかし、サイドに置いたことで彼がボールに触る機会は激減。それと共に桐生第一は決定機を作ることすらできなくなってしまいます。しかし62分にCKから川田勝也が胸で押し込み1点を返します。その後鈴木武蔵はまた中央に戻るのですが、再び大貫をはじめとする尚志DF陣の厳しい守備によって全く仕事ができません。そして73分、尚志はカウンターから後藤がこの日2点目となるゴールを決めて突き放し、勝負有り。ストライカーが個の力を発揮した尚志が準決勝に進出しました。
両チームの差はどこに?
敗れた桐生第一ですが、鈴木が仕事を出来なかったというのは勿論ですが、その鈴木をどう活かすかという部分でアイディアに欠けていたように思います。スペースにパスを出して鈴木の走力を活かせばまだ得点の可能性があったかなと。しかし実際は鈴木の足元にパスを出す場面が多く、そこには当然尚志DFがきっちりついているため良い形で彼がボールを受けられた場面はほぼありませんでした。ポストプレーをしようにも他の選手がフォローに行っているわけでもなく、「鈴木、後は任せた」という状態で、これではちょっと厳しいだろうと。
一方の尚志は後藤と皿良優介が良いコンビネーションを見せ、それに中盤も呼応する、その結果後藤がより活きるというプラスのスパイラルを見せていました。3点目のシーンも代わって入った木村篤弥が斜めに走ることでDFの判断を一瞬遅らせ、その隙に後藤が得意のドリブルで突破するという、正にチームが個を活かす形でのゴール。ストライカーが個を出すのを手助けするチームプレーを見せた尚志が勝利したのは、必然だったかもしれません。
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