劣勢の奈良育英
序盤からペースを握ったのは桐生第一でした。攻めては速く精度の高いパス回しと、DFの裏を狙う動きで奈良育英の守備陣を翻弄し、守っても奈良育英が誇る前線の4人に振り切られること無く、彼らに仕事をさせません。しかし奈良育英も、鈴木武蔵が突破を図ると2人で挟んで対応するなど、桐生第一のストライカーを何とか封じ続けます。このままスコアレスで折り返すかと思われましたが37分、左サイドからのボールを受けた鈴木武蔵が楔のパスを出し、それに走りこんだのは吉森恭兵でした。終了間際に桐生第一が先制し前半を折り返します。
一矢報いるも、らしさは出ず
まずは追いつきたい奈良育英ですが、そのチャンスは開始早々に訪れます。ゴール前で黄山晃宏、木田直樹と繋ぎ、きだのスルーパスに反応したのはキャプテン山田真史でした、後半開始2分での同点劇。もし次の1点が奈良育英に入れば勝機も見えてくる展開となりました。しかし、前半同様に劣勢を強いられる奈良育英。桐生第一に比べパスの精度が低く、ボールがいい形で前線に入りません。そして55分、古沢友希の裏を狙ったパスを遠藤葵に通され、次の1点は桐生第一に入ります。
そしてここから、奈良育英に焦りの色が見えてきます。確実に繋ごうとゴール前でパスを回すのですが、桐生第一の守備ブロックをこじ開けることが出来ません。過去2試合で見られた積極的なシュートは影を潜め、奈良育英らしさが失われ始めました。そして66分に、前がかりになったところを鈴木武蔵に通されて失点。見事なカウンターで更に差を広げられます。終了間際にもボランチの金田理央に決められた奈良育英は、正に完敗といった試合内容で大会を去ることになりました。
桐生第一のキーマンは彼だ!
桐生第一のパスワークは非常にレベルが高く、ワンタッチで精度の高いパスを繋いでくる様はとても初出場のチームとは思えませんでした。そしてその桐生第一の攻撃を組み立てていたのが、この試合で4点目をあげたボランチ金田理央。絶妙なポジショニングでルーズボールを得て、精度の高いパスを次々と前線に通す。そしてそのパスも奈良育英DFがカットできそうでできないギリギリのスピードを狙って出している。遠藤保仁を彷彿とさせるようなプレースタイルでした。桐生第一はやはり鈴木武蔵が注目されがちですが、僕はこのチームで真に注目されるべきは彼だろうと思います。このまま順調に成長すれば、遠藤を超えるボランチになるかもしれないと思うほどに彼のプレーは素晴らしかったです。
そして鈴木武蔵ですが、彼もまたクレバーな選手だなと思いました。自分にマークが集中していると分かると、ポストプレー主体に切り替えて桐生第一に先制点をもたらしました。そして後半に再びリードを奪ってからは、ストライカーとしてのエゴを存分に発揮し奈良育英ゴールにシュートを浴びせました。得点は1点でしたが、自分がこのチームのストライカーなんだと言わんばかりの後半のプレーは観ていて気持ちが良かったです。こういったFWがどんどん出てきてほしいなと思いますね。
奈良育英、よく頑張ったよ
奈良育英は残念ながらベスト8に進出することが出来ませんでしたが、敗色濃厚となっても最後までゴールを狙おうとする姿勢は素晴らしかったと思います。3年生はこれが最後になりますが、その姿勢が後輩たちに与えるものは間違いなく大きいでしょう。奈良育英、お疲れ様でした。
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