2011年11月14日月曜日

【TV観戦記】京都‐東京V 不思議な古都ナチオ【J2】

直近5試合で僅か2失点。イタリア代表のカテナチオになぞらえて、「古都ナチオ」と名付けられた京都の守備陣。ここまでリーグ64得点の東京Vを相手にした今回も新都自慢の攻撃陣をシャットアウトし勝利を収めました。

京都 1-0 東京V
京都:中村太亮(86分)

今回の試合では、東京Vに終始攻められ続け、何度もピンチを迎えました。それでも無失点に抑えた古都ナチオの秘密はどこにあるのでしょうか。

数多くの東京Vの決定機

東京Vのチャンスを挙げてみましょう。まずは24分。ペナルティエリア内中央でアポジがフリーでシュートを放ちますが、染谷悠太が顔面ブロックでセーブ。これにより染谷は脳震盪を起こしたか30分に秋本倫孝と交代します。

37分にはペナルティエリア内右からまたもフリーでアポジがシュート。こちらは福村貴幸がスライディングで防ぎます。続いては前半ロスタイム。CKから富澤清太郎だったと思いますが、ヘッドでGK水谷雄一の頭上を越しますが、ゴールライン上で宮吉拓実がこちらもヘッドでクリア。

後半に入って46分、アポジと交代で入った河野広貴が右サイドからシュート。これはチョン・ウヨンがヘッドでクリア。48分右サイドからのFK、河野が直接狙いますが福村がクリア。72分の巻誠一郎のシュートは水谷がセーブ。78分左サイドからのクロスをヘディングで中央の巻に折り返しますが、秋本が足を出して水谷がキャッチ。京都が先制した後、ロスタイムのFKはクリアの後に、土屋征夫がクロス性のボールを左サイドから送りますが、水谷が必死のパンチング。

ここに挙げただけでも8回の決定機があり、そのいずれも決まってもおかしくないようなものでした。しかし京都は無失点で終え、東京Vの昇格を打ち砕いたのです。

大木イズムが守備面でも浸透

なぜ京都は無失点で終えることができたのか、それは大木武監督が就任当初から掲げていた、「人もボールも動くサッカー」が守備面でも浸透していたからでしょう。「人もボールも動くサッカー」を実現するためには、一瞬一瞬の判断の早さが求められます。ボールを受けた時、誰がどこに動いて、自分はどこに出すべきか。そして出した後、自分はどう動くべきか。その判断の瞬発力が「人もボールも動くサッカー」の秘訣です。

これを守備に置き換えるとどうなるか。相手がボールを持っている。プレスに行くかディレイを選択するか。あるいは思い切ってアタックするか。相手がどこに出してどのように崩そうとしてくるか、誰がどのタイミングでシュートを撃ってくるか。そのコースは。それらを一瞬で判断して最適な方法を選択する。染谷は体を張ってシュートを防ぐことを選び、福村は低い弾道を予測してスライディングで防ぐ。宮吉はCKからのヘディングに備えてゴールライン上に。各選手が考え、予測し、動くことで相手の決定機を摘み取ることに成功しているのです。

特にこの試合は、後半の終盤になるまで水谷のビックセーブが皆無だったと言っていいほどでした。フィールドプレイヤーの守備における判断力が向上していることの証なのではないでしょうか。

伸び悩んでいた選手に覚醒の兆し

攻撃のほうにも少し目を向けてみましょう。今回決勝点を挙げた中村太亮は、今季序盤はシュートを撃っても殆ど枠を捉えることが出来ていませんでした。交代選手として入っても流れを変える事が出来ず、その後ベンチ外となることも多くなっていました。今回のゴールが覚醒のきっかけになれば良いと思います。

前節2ゴールのドゥトラはこの日も好調でした。ドリブル突破にもキレがあり、シュートを撃つタイミングも良くなっているように見えました。熊本戦での活躍が彼のメンタル面の成長を促したのではないでしょうか。

4-4-2になってからCHの一角を担うようになった中村充孝は、持ち前の突破力と反転力を存分に活かせています。この試合でもボールを受けて前を向く技術は素晴らしいものがありました。ボランチというポジションながら、積極的に攻撃に参加するメンタリティ。そして攻撃の非凡な才能。確実に相手の脅威になりつつあります。

今までスターティングメンバーから外れていた選手たちがここに来て良いパフォーマンスを見せている。これがチーム内での競争を促し、結果チームの地力が上がっていく。今の京都は良いスパイラルに入っているように思います。


この試合の前に札幌、徳島が勝利したことで京都の昇格はなくなりました。それでも攻守において素晴らしいサッカーを見せた京都。目標を達成できなくても、次に繋げるために。この試合の京都に、大切な事を教えてもらった。そんな気がします。


ここまで来ると最後まで勝ち続けてほしいですね。 いつも応援クリックありがとうございます。
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